い、痛い…

カン、カン、カン…

う、う、痛い…

ハンマーのようなもので、血管にカテーテルを挿入していくのがわかった。
コンピューターを使って、もっと慎重に血管の中を進んでいくのかと思いたので、かなり驚いた。

挿入されていくごとに、痛みは増していった。
局所麻酔を打って、意識もしっかりしているときに、検査室に入室したのだ。
自分は腎臓が悪いため、麻酔は必要以上に使えないという、まさに拷問と呼ぶにふさわしかったと思う。

何人ものマスクをして、帽子をかぶり、白衣を着た、男だか女だかわからない人たちが、ベッドに寝た自分を囲んでいる。
ショッカーに改造される仮面ライダーは、まさしくこんな感じなのだろうと思った。

しばらくすると、心臓を撫でられているかのような異物感。
どうやら、到達したようである。

そして…

造影剤を流しこんでいるのであろう、身体の奥が、火鉢で饐えられたかのように熱くなる。
色々な角度から、撮影していた。

後は、ピンセットのようなもので、心臓の筋肉を少しだけ摘んでくる手筈になっていたのだが、やらずに終了となった。

自分の心臓の動きの悪さをしている根本が、判ったからだといわれた。

あっけにとられながらも、そのまま、自分は病室のほうへと運ばれていった。

この検査の後は、信じられないことに、脚をベッドに包帯で縛りつけられてしまった。
動くと、カテーテルを通すため、穴を開けた動脈から、血が噴き出してくるからである。
血が止まるまでの6時間は、寝返りも打てず、動くこと自体が禁止された。
傷は痛むし、本当に地獄だった。

カテーテルの結果をすぐに聞かされたのだが、まさしく泣きっ面に蜂であった。

心臓から伸びる動脈は、大きく三つに別れている。
自分は、そのうちの二本が詰まってしまっていた。
心臓に充分な血液が行き渡っていないために、今回のような心不全を起こしてしまったようだ。
大動脈閉塞という病気らしい。

大動脈が詰まってしまった場合、詰まった部分に、人工の血管を入れて押し広げる、という
方法もあるらしい。
自分の場合は、詰まっている箇所が、石灰化してしまっているようなので、この方法は使えないという話だ。

自分の命を救うには、大動脈バイパス手術しか残っていなかった。
詰まってしまった血管を迂回するように、グラフトと呼ばれる、正常な血管を縫い付けるという手術である。
自分の場合、腎臓の働きが悪いため、かなりのリスクをしょわなくてはならないという。

医者に、10%の確立で死ぬ恐れがあると深刻された。

一緒に説明を受けた、母親が泣いていた…

お見舞いに来て下さった方も、私も同じ年の子供がいるから…
と泣いてしまわれた。

自分の子供が、病気で苦しんでいるのを見るくらいなら、自分が変わってやりたい…
などと母は話していた。


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おはようございます。

いきなりの書き出しと、アップがおくれてしまい、申し訳ありません。

この出来事で、母親は、どこの世界でも、一番に息子のことを思ってくれている存在であると改めて痛感しました。
自分の腹を痛めて生んでくれた子供なのだから。

この歳になり、とんでもない親不孝をしてしまったと思いました。

母親と病室で、色々な話をしました。

そんな機会は滅多になく、貴重な時間なのだ…とある方から指摘されました。

全くその通りだと思います。
自分もできることから、少しずつでも、親孝行をして行きたいと心から思い、だいぶ前から、夕食後の片付けを担当すると決めました。
できたり、できなかったりですが…

明日は、手術とスランプのことについて書かせて頂きたいと思います。