左からハーラさん、へバさんです。

ヘバさん、ハーラさんとのエピソード話は、続きをクリックしてね! 初めてのテンプルビジット

 「念ずれば花開く」の言葉のように、数年来の中嶋洋子会長の願いがついにかなって、エジプトのカイロ大学からの留学生、へバ・タッラーさんと、お友達でアイン・シャムス大学から広島大学に留学中の、ハーラ・マハムードさんが、8月24日から26日まで、ここ長興寺に宿泊した。当寺には、民家を改造した別棟の坐禅堂があり、古い設備ながらバス・トイレ・キッチン付き、5人まで宿泊できる。二人にとって、気がねなく、シャワー、休息、自炊、おしゃべり、何よりも日課の礼拝ができる自由な空間であったと思う。
 二人はへジャブと呼ばれるスカーフを頭から外そうとはしなかったし、お酒と豚肉は絶対タブーであった。ケイタイで東京のモスクから送られてくる時間によって、1日5回礼拝するというへバさんに「礼拝で何を祈るの」と質問すると、「片方の手に天国を、もう一方に地獄を思い、目の前に自分の死を思う、そして自分の行いを反省します」と教えてくれた。二人に魂の輝きを感じると同時に、うわべを装うことに心を奪われ、品性を磨くことを知らない日本の若者を哀れに思った。

 翌日、「日本の宗教のシンクレティズム(重層構造)」のフィールドワークとして、三島大社と箱根神宮を案内した。あいにく富士山は雲にかくれていたが、二人は箱根の山の気、芦ノ湖、森林に、「こんな美しい所が他にあるかしら」と大感激のようすであった。せめてもの御礼にと、その日の夕食に、手作りのエジプト料理をふるまってくれた。

 ほとんどの日本、アジアの人々は、エジプトをはじめアラブの国々の歴史、文化、宗教、生活習慣について余りに無知である。二人にアラブとアジアの掛け橋になっていただければと祈りつつ、再会を約してお別れした。

(東京外国語大学留学生支援の会会報 第14号より)