最近円安が進み海外輸出企業の活力が湧いてきた感じがします。今やグローバル社会と言われるほど市場は海外規模で考えなくてはならない時代になっています。そんな中、田村耕太郎氏の「君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?」と言う本を読みましたので、今月の平電機新聞ではこの本について書いてみたいと思います。

この本を一言でまとめると「準備をしよう」と言う事です。何事も準備が大事であり、準備無くして世界では戦えないと言う事を著者は言いたいようです。日本には古来より「言霊」信仰があり言葉を発してしまうとそれが現実になると言う考えがあります。

この「言霊」信仰は別に悪い事でも何でもないのですが、いつからか悪い事や最悪の事を考えると悪い事が起きてしまう。つまり悪い事を考えるイコール悪い事を期待することになるから考えるのをやめようと言った間違った考えが広まっている感じがします。



最悪の事態を考えると「縁起でもないことを言うな」と言った雰囲気になります。しかし、危機回避の観点からは最悪の事態を考え準備していく事は不可欠となります。大地震が起こるかもしれない。津波が来るかもしれない。などは最悪のシナリオを考え準備をしておかないと、もし起こったときに大被害となります。

経済も同じです。円安になりこのまま景気が良くなると期待するのは良いですが、最悪の準備は常にしないと世界では通用しないと田村氏は言います。もちろんこれは企業だけの話ではなく一個人でも同じです。今や将来現役で仕事をしないと生きていけない時代です。年金などの社会保障は年々悪くなり、「60歳で定年、その後は悠々自適」は夢のまた夢となっています。

一生現役を考えるならどう準備をするのか?まずは考え方を変えることが大事です。「時は金なり」と言った諺がありますが、海外で通用する人ほどそれを常に意識しています。自分の給与から時給を出し、その分の仕事をしているかどうかを考える事は仕事では不可欠です。自分の能力が自分の給与より少なければ、会社は当然赤字となります。普通の会社ではそのような人はまっさきにリストラ対象となります。



タイムコスト意識はプライベートでも考える事が必要だと田村氏は言います。仮に時給が1,000円の人の場合、飲み会に誘われズルズルいるのではなく、飲み会3時間なら3,000円、さらに飲み会代が5,000円なら、その飲み会にいく事により8,000円費やしていることになります。それは自分にとってプラスなのかどうか考えるのです。

その飲み会で8,000円分の人脈ができるのか?出会いは有るのか?または、8,000円分のストレス解消になるのか?自分にとって2,000円分くらいの価値しか無いなら行かない方がマシです。ストレス解消が目的なら足つぼマッサージに行った方が良いかもしれません。タイムコストを考える事は自分が老後まで仕事ができるかどうかの準備の一つなのです。

他にも田村氏は情報収集も必要だと言います。自分の仕事が将来もある仕事なのか?成長分野なのか?成熟分野なのか?一時的なのか、永久なのか?全てにおいて情報を元に判断しなければなりません。何も考えずにただある仕事をこなしていると企業としても個人としても長くは働けません。

その情報収集方法も工夫しなければなりません。日本のメディアだけに頼ると世界の動きが分かりません。私は海外で十数年生活していましたが、日本に帰ってきて驚くのが日本のニュースはどの局でも同じ時間に同じ事を放送していると言う事です。テレビで○○殺人事件をある局がやっていると他の局も同じ時間帯で○○殺人事件をやっています。日本は横並びが好きな民族性はわかりますが、情報量としては限られてしまいます。

そこで海外のニュースを見て情報を集めることが重要となります。今はインターネットでいろいろな国のニュースが見えます。英語が分からなければページを丸ごと翻訳するサイトもあります。それらを活用し世界の動きを知ることが重要なようです。

その他もいろいろ準備する事が書かれていましたが、最重要な準備は「健康」です。「人生最大の財産はなんといっても健康である。」とこの本には書かれています。どんなに知識があろうと、お金があろうと健康でなければ人生は楽しめません。当然仕事もできません。体を鍛え、睡眠をとり、良い食事をする。当たり前ですがもっとも重要な事です。

この本を読み「準備」が何より大事だと痛感しました。そして準備をすれば企業として、個人としてこの先も生き残れると確信しました。「備えあれば憂いなし」我々に今一番必要な事かもしれません。