08/29: 平電機新聞6月号2013(過去)
最近は梅雨に入りジメジメした日々が続いています。梅雨と言えばアジサイにカタツムリを思い浮かべる人は多いでしょう。このカタツムリが凄い能力を持っていることを皆さんご存知でしょうか?今月の平電機新聞ではネイチャーテクノロジーについて書いてみたいと思います。

カタツムリは巻貝の仲間で殻を持って陸で生活しています。私たち人間と同じように陸で生活しているので、排気ガスや泥、埃、黄砂など様々な汚れに接しているわけです。我々の車は外に置いておくと埃だらけになりますが、カタツムリの殻が汚れているところを見た時があるでしょうか?実はカタツムリの殻には汚れが付着しにくいのです。
殻の主成分はタンパク質とカルシウム、そしてある種のカタツムリは乾燥剤でもよくつかわれるシリカの層を殻につけています。乾燥剤でつかわれるのでお分かりでしょうが、シリカは水分を集める働きがあります。このシリカは二酸化ケイ素と呼ばれ地球の地殻にたくさんあるので、成分が特殊ではありません。その構造が特殊なのです。
カタツムリの殻を電子顕微鏡でみると小さい溝がたくさんあります。溝があれば平な面にくらべ表面積が増えます。表面積が増えると水がくっつきやすくなり、雨が降っていなくても空気中の水分を殻の表面にまとわすことができます。つまり殻の外側に常に水のコーティングがされているのです。

水のコーティングをされていると頑固な油汚れもへっちゃらです。ためしに油性のペンで殻に落書きしても、油と殻の間に水が入っていますので、水洗いするだけでアッと言う間に汚れが落ちます。
この構造に目を付けたのが日本のタイルメーカーのINAX社です。タイルの表面にシリカの微粒子を吹き付け人工的に小さい溝を作ったのです。このタイルは水だけで汚れが落ちるので今では建物の外壁などで使用されています。将来もしかしたら洗剤が必要ない時代が来るかもしれません。
自然のテクノロジーが非常にすぐれているのは何も今に始まったことではありません。皆さんもそこらじゅうで目にするマジックテープも元々は植物から考案されました。
最近舗装された場所が多くなりましたが、山へいくと雑草がたくさん生い茂っています。この雑草の中を歩き回るとズボンや靴下にオナモミやゴボウなどの種子がくっつきます。これらの種子をぞくに虫ではありませんが「くっつき虫」と言われています。くっつき虫は植物が種子を動物などに引っ付かせて遠くで自分の子孫を増やそうとした進化だと言われています。

これをみたスイス人のジョルジュド・メストラル氏がシートでくっつき虫の構造を作ったら、簡単にくっつけたり剥がしたりできる製品ができるのでは?と考え、1955年にナイロンで疑似くっつき虫を作り出します。これが世界的に広がり、今では靴や鞄をはじめありとあらゆる所で使用されています。これも自然のテクノロジーなのです。
近年は中国の低価格製品に日本企業が苦戦させられています。日本の技術は凄いと言われていますが、ヒット商品がなかなか出ないのも原因の一つではないでしょうか?
スマートフォンはすでにアップル社かサムスン社に市場がとられ、コンピューターでは中国や台湾の企業にいいようにやられています。

ヒット商品を作るのには何もとんでもない物を考え出す必要は無いと思います。ネイチャーテクノロジーのようにその辺の生物から学ぶべきことは山ほどあるのですから。「灯台下暗し」で身の回りからヒントを得る事が今の日本には必要かもしれません。

カタツムリは巻貝の仲間で殻を持って陸で生活しています。私たち人間と同じように陸で生活しているので、排気ガスや泥、埃、黄砂など様々な汚れに接しているわけです。我々の車は外に置いておくと埃だらけになりますが、カタツムリの殻が汚れているところを見た時があるでしょうか?実はカタツムリの殻には汚れが付着しにくいのです。
殻の主成分はタンパク質とカルシウム、そしてある種のカタツムリは乾燥剤でもよくつかわれるシリカの層を殻につけています。乾燥剤でつかわれるのでお分かりでしょうが、シリカは水分を集める働きがあります。このシリカは二酸化ケイ素と呼ばれ地球の地殻にたくさんあるので、成分が特殊ではありません。その構造が特殊なのです。
カタツムリの殻を電子顕微鏡でみると小さい溝がたくさんあります。溝があれば平な面にくらべ表面積が増えます。表面積が増えると水がくっつきやすくなり、雨が降っていなくても空気中の水分を殻の表面にまとわすことができます。つまり殻の外側に常に水のコーティングがされているのです。

水のコーティングをされていると頑固な油汚れもへっちゃらです。ためしに油性のペンで殻に落書きしても、油と殻の間に水が入っていますので、水洗いするだけでアッと言う間に汚れが落ちます。
この構造に目を付けたのが日本のタイルメーカーのINAX社です。タイルの表面にシリカの微粒子を吹き付け人工的に小さい溝を作ったのです。このタイルは水だけで汚れが落ちるので今では建物の外壁などで使用されています。将来もしかしたら洗剤が必要ない時代が来るかもしれません。
自然のテクノロジーが非常にすぐれているのは何も今に始まったことではありません。皆さんもそこらじゅうで目にするマジックテープも元々は植物から考案されました。
最近舗装された場所が多くなりましたが、山へいくと雑草がたくさん生い茂っています。この雑草の中を歩き回るとズボンや靴下にオナモミやゴボウなどの種子がくっつきます。これらの種子をぞくに虫ではありませんが「くっつき虫」と言われています。くっつき虫は植物が種子を動物などに引っ付かせて遠くで自分の子孫を増やそうとした進化だと言われています。

これをみたスイス人のジョルジュド・メストラル氏がシートでくっつき虫の構造を作ったら、簡単にくっつけたり剥がしたりできる製品ができるのでは?と考え、1955年にナイロンで疑似くっつき虫を作り出します。これが世界的に広がり、今では靴や鞄をはじめありとあらゆる所で使用されています。これも自然のテクノロジーなのです。
近年は中国の低価格製品に日本企業が苦戦させられています。日本の技術は凄いと言われていますが、ヒット商品がなかなか出ないのも原因の一つではないでしょうか?
スマートフォンはすでにアップル社かサムスン社に市場がとられ、コンピューターでは中国や台湾の企業にいいようにやられています。

ヒット商品を作るのには何もとんでもない物を考え出す必要は無いと思います。ネイチャーテクノロジーのようにその辺の生物から学ぶべきことは山ほどあるのですから。「灯台下暗し」で身の回りからヒントを得る事が今の日本には必要かもしれません。
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