09/05: 平電機新聞7月2013(過去)
梅雨が終わりすっかり暑くなりました。前回のネイチャーテクノロジーが好評だったので、今月の平電機新聞も夏のネイチャーテクノロジーを紹介いたします。
夏の昆虫と言えばカブトムシが有名です。体中鎧兜で覆われ子供たちのあこがれの的です。このカブトムシ、実は世界最先端の技術をもっているってご存知でしょうか?それは羽です。
カブトムシの羽は鞘羽と言われる固い羽の下に薄い羽があり、その羽をはばたかせて飛びます。固い鞘羽は体を守る鎧の一部と考えると実質薄い羽で飛んでいるわけです。この薄い羽は飛び立つ前にサッと広がり、飛び終えたらサッと収納されます。さらに非常に軽く丈夫なのが特徴です。
強度があり、軽く、収納が楽なこの羽は実は織り方に特徴があります。それを三浦公亮氏が発見したことから「ミウラ折り」と言われています。これは山折りと谷折りを交互に織って平行四辺形の形で織っていく手法です。この折り方は少しの力で広げたり縮めたりするのに適しており、自然界のカブトムシを始め甲虫類では一般的です。

カブトムシからしてみればあまり力を使わず羽を広げたり収納したりしたいと思うはずですし、進化の過程で「ミウラ折り」を採用した種が多く生き残った事からわかるように非常に効率が良いと言えます。
更にこの織り方により強度が増すので材料を軽く薄くできるのが特徴です。実は皆さんの周りにもよく目にするはずです。それはカン酎ハイやコーヒー缶です。ダイヤカット缶と言われるこれらの缶は「ミウラ折り」で作られています。ひし形のデコボコ模様をご覧になった方も多いのではないでしょうか?
従来のアルミ缶に比べ約20%も材料を削減しながら、この「ミウラ折り」により強度はそのままと言った優れた設計になっています。
「ミウラ折り」は地図にも一般的に使用されています。地図の対角線上を引っ張るだけで簡単に広げられ、収納も簡単な「ミウラ折り」は地図の製造販売会社にいち早く採用されました。
さらに冒頭に書いた世界最先端技術とは人工衛星です。実はこの「ミウラ折り」を発見した三浦氏は宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星の太陽電池のパネルの収納・展開を研究していた人なのです。
宇宙と言うあまり動力が使えない空間でどうやったら太陽電池のパネルを少ない力で収納・展開できるかは課題でした。実際、電波天文衛星「はるか」や宇宙実験・観測「フリーフライヤ」、人工衛星「きく8号」で「ミウラ折り」の技術が使用されています。ネイチャーテクノロジーの可能性はこのように最先端技術にも応用されるのです。
夏で有名な生物には皆さんが嫌いな蚊もいます。蚊のメスは繁殖のために動物から血を吸う事は皆さんご存知の通りです。この蚊の血液を吸う仕組みが非常に優れています。まず細さですが、外径60マイクロメートルと極細です。もっとも細いと言われている痛みがほとんど無い注射針で200マイクロメートルと蚊の針の3倍もあります。人間は通常直径95マイクロメートルより細い針は痛みを感じないと言われています。蚊の進化の過程で痛みが無い針を持つ種だけが生き残った結果だと言えます。

蚊の針はさらに顕微鏡でみるとノコギリの形をしており、それを上下にすることにより針が曲がったり折れたりしない工夫をしています。今の所我々のテクノロジーをもってしても蚊の針と同じ構造の針は量産ベースののせられないと言われています。そこらじゅうにいる蚊は神様が作った量産の痛くない針を持っている事になりますね。
身の回りのいろいろな生き物は我々が想像できない凄い力を持っています。常に好奇心を持つことこそ大発明につながるのではないでしょうか?あの発明王エジソンのように。
こぼれ話
蚊は我々から血を吸うときに唾液を注入します。この唾液には血液を固まらせない成分が含まれており、細い針でも血が凝固せずに吸うことができるのです。ただ、この唾液は我々にとって異物ですので、アレルギー反応がおき痒くなります。さて、ここで考えてみてください。それなら進化の過程で痛くない針を作った蚊ならアレルギー反応を起こさない唾液を作る蚊も現れても不思議ではありません。痒くなければ我々も蚊を毛嫌いしないはずです。しかし、別の角度からみると我々人類は歴史上、蚊を媒介としたマラリヤやテング熱などの病気で命を落としてきました。つまり我々人類は蚊を毛嫌いするように進化したと考えるのが自然ではないでしょうか?蚊の耳元での音や痒くなる仕組みは我々人類が進化の過程で得た蚊を遠ざける仕組みの一つだと考えると納得しますね。
夏の昆虫と言えばカブトムシが有名です。体中鎧兜で覆われ子供たちのあこがれの的です。このカブトムシ、実は世界最先端の技術をもっているってご存知でしょうか?それは羽です。
カブトムシの羽は鞘羽と言われる固い羽の下に薄い羽があり、その羽をはばたかせて飛びます。固い鞘羽は体を守る鎧の一部と考えると実質薄い羽で飛んでいるわけです。この薄い羽は飛び立つ前にサッと広がり、飛び終えたらサッと収納されます。さらに非常に軽く丈夫なのが特徴です。
強度があり、軽く、収納が楽なこの羽は実は織り方に特徴があります。それを三浦公亮氏が発見したことから「ミウラ折り」と言われています。これは山折りと谷折りを交互に織って平行四辺形の形で織っていく手法です。この折り方は少しの力で広げたり縮めたりするのに適しており、自然界のカブトムシを始め甲虫類では一般的です。

カブトムシからしてみればあまり力を使わず羽を広げたり収納したりしたいと思うはずですし、進化の過程で「ミウラ折り」を採用した種が多く生き残った事からわかるように非常に効率が良いと言えます。
更にこの織り方により強度が増すので材料を軽く薄くできるのが特徴です。実は皆さんの周りにもよく目にするはずです。それはカン酎ハイやコーヒー缶です。ダイヤカット缶と言われるこれらの缶は「ミウラ折り」で作られています。ひし形のデコボコ模様をご覧になった方も多いのではないでしょうか?
従来のアルミ缶に比べ約20%も材料を削減しながら、この「ミウラ折り」により強度はそのままと言った優れた設計になっています。
「ミウラ折り」は地図にも一般的に使用されています。地図の対角線上を引っ張るだけで簡単に広げられ、収納も簡単な「ミウラ折り」は地図の製造販売会社にいち早く採用されました。
さらに冒頭に書いた世界最先端技術とは人工衛星です。実はこの「ミウラ折り」を発見した三浦氏は宇宙航空研究開発機構(JAXA)で人工衛星の太陽電池のパネルの収納・展開を研究していた人なのです。
宇宙と言うあまり動力が使えない空間でどうやったら太陽電池のパネルを少ない力で収納・展開できるかは課題でした。実際、電波天文衛星「はるか」や宇宙実験・観測「フリーフライヤ」、人工衛星「きく8号」で「ミウラ折り」の技術が使用されています。ネイチャーテクノロジーの可能性はこのように最先端技術にも応用されるのです。
夏で有名な生物には皆さんが嫌いな蚊もいます。蚊のメスは繁殖のために動物から血を吸う事は皆さんご存知の通りです。この蚊の血液を吸う仕組みが非常に優れています。まず細さですが、外径60マイクロメートルと極細です。もっとも細いと言われている痛みがほとんど無い注射針で200マイクロメートルと蚊の針の3倍もあります。人間は通常直径95マイクロメートルより細い針は痛みを感じないと言われています。蚊の進化の過程で痛みが無い針を持つ種だけが生き残った結果だと言えます。

蚊の針はさらに顕微鏡でみるとノコギリの形をしており、それを上下にすることにより針が曲がったり折れたりしない工夫をしています。今の所我々のテクノロジーをもってしても蚊の針と同じ構造の針は量産ベースののせられないと言われています。そこらじゅうにいる蚊は神様が作った量産の痛くない針を持っている事になりますね。
身の回りのいろいろな生き物は我々が想像できない凄い力を持っています。常に好奇心を持つことこそ大発明につながるのではないでしょうか?あの発明王エジソンのように。
こぼれ話
蚊は我々から血を吸うときに唾液を注入します。この唾液には血液を固まらせない成分が含まれており、細い針でも血が凝固せずに吸うことができるのです。ただ、この唾液は我々にとって異物ですので、アレルギー反応がおき痒くなります。さて、ここで考えてみてください。それなら進化の過程で痛くない針を作った蚊ならアレルギー反応を起こさない唾液を作る蚊も現れても不思議ではありません。痒くなければ我々も蚊を毛嫌いしないはずです。しかし、別の角度からみると我々人類は歴史上、蚊を媒介としたマラリヤやテング熱などの病気で命を落としてきました。つまり我々人類は蚊を毛嫌いするように進化したと考えるのが自然ではないでしょうか?蚊の耳元での音や痒くなる仕組みは我々人類が進化の過程で得た蚊を遠ざける仕組みの一つだと考えると納得しますね。
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