僕には師匠と勝手に呼んでいる人が何人かいます。


先日,学生時代の先生が突然メールを下さいました。
先生はすでに退職され今は,隠居生活を満喫されているようで、
その近況と最近デジタルカメラを新しく購入されたそうでそれ
で撮影した、花の写真を添付して下さいました。
あまりに突然なメールだった為に、ただただ驚くしかで
きなかったのですが、そんなことがあり、ついつい昔の
事を思い出してしまいました。

僕は18歳から19歳までとあるコンピューターの専門学校に
いました。1年勉強してそこで覚えた事を生かして就職する
というコンセプトの学校です。
僕が入ったクラスは僕を含めて6人で、そこの先生が今回お話
する師匠です。
なぜ師匠なのかというと、僕の中で師匠の定義は、ある事柄に
ついて精通しているが、そのことを教えない。目の前で見せるが
手取り足取り教えない人を僕の中では勝手に師匠と呼んでいます。
正直、学生時代1度も面とむかって「師匠」とよんだことは1度もない
のですが、この先生が忙しい人でした。
普通の先生のように授業を中心に活動する人ではなく,就職先と
連絡をとったり,新入生入学の準備をしたり、他の先生のまとめ役を
されたり、まず、教室にいらっしゃいませんでした。
僕らは何をしたかというと、机の上に「文書作成」「表計算」
「タイピング」「プログラミング」などのテキストが置かれ、それら
から好きな科目を選び、カリキュラムを自分で作成して勉強するという
スタイルでした。
1人1台パソコンが支給されていたので、好きなところから
勉強できたのですが,その先生は突然ふらっと現れ、黒板に○月○日○○時〜
○○のテストと大きく書かれてまたどっかに行く人でした。
最初の時はとても驚きました。
そして本当にテストをするのです。それが何週間に1度のペースであるのです。
たまに、教室にこられても授業はせずご自分の机でお仕事をされていました
「わかんないところがあれば聞きにこい」そうおっしゃって机の上で作業を
されていました。最初は何がなんだかわかりませんでした。
それでもわからないところがあると聞くのですがそれにはしっかり答えてくださいました。

そんな、師匠の口癖というか話癖は毎朝、15分くらい朝礼をするのですが、そのとき
「いいか、技術は盗むものだ」「昔はな、一流の職人と呼ばれる人ほど弟子はとっても自分の
技能を手取り足取り教えなかった。知りたければ師匠を見てそこから盗んだ物だ」
「弟子が技術を盗もうとするとそれを阻もうともした。そういうことを繰り返して初めて身につくんだ」
この話を本当に耳にたこが出来るくらいしてくださいました。当時は「何を言っているんだろう」位にしか
思わなかったんですが、これが実際に就職して初めてこの話の意味がわかった気がします。
確かに時代は変わって今はこの考え方が正しいかどうかわかりません。
でも、社会に出てから勉強するという事を教えていただいた1年だったと思います。
ゴールが決まっていて、その為にどのような準備をするか?また、わからない事の聞き方、
わかる事、わからない事の整理をする事(出来る事出来ない事の整理)。
どうしてわからないのか?どこまでがわかっていてるのか。
あの当時の自分と今の自分を重ねて反省する時間でした。

まるで今の自分を見透かされているようでした。