一般に生体の部分を示すためには形態や機能からみた解剖学を利用しますが、漢方医学では現代医学とは異なった概念・定義があります。
 その代表的なものは〔表-裏、上-中-下、臓腑〕および一部の器官や部分です。これは非常に単純な印象を受けますが、臨床的病態認識法としての利点があります。

1.表裏について
 表位-頭部、体表(皮膚、皮下)、四肢、骨格筋など
     (風邪初期、神経痛、関節痛、リウマチ、呼吸器、耳鼻科疾患など)
 裏位-身体内部
     (消化器上部を除く内臓全般、骨盤内)
 半表半裏-肺、消化器上部
        (消化器系)

2.上中下について
 上(上焦)-横隔膜から上部
 中(中焦)-横隔膜から臍まで
 下(下焦)-臍から下部

3.臓腑について
 漢方医学において内臓諸器官は五行説に従って5臓に分類されますが、6腑の相対される必要から心包絡を追加しています。臓は詰まった器官で腑は空虚で入れ物的器官が該当します。
 五臓六腑
 五臓+一臓 - 心    肝   脾   肺    腎    心包絡
 六腑      - 小腸  胆   胃   大腸  膀胱   三焦
・心-心臓、理性など
・肝-栄養物の分解、合成、貯蔵(う血と関連)、情動など
・脾-消化吸収作用、栄養物の運搬と利用など
・肺-呼吸器系、体液の排泄、調節(肺・皮膚を通し)
・腎-生命力、生殖、泌尿、成長・発育、知能・知覚・運動系の発達と維持など
・心包絡-実質的には「心」と同様