本物。


【初ディファ】

 2月11日、朝から寝とぼけた顔で東海道線に乗った。先日は沼津プロレス第三戦を観戦し、勢いで観戦の感想などを深夜三時過ぎまで書いてしまった。ほとんど睡眠時間のないまま、家を飛び出した。座ったら眠れるなと思い、頑張ってグリーン車へ。ところが俺、後頭部の毛を跳ねさせる髪型だったので、頭をシートにもたれさせることもままならず(俺、前屈みスタイルでは眠れないさ)何とか眠れる姿勢と試行錯誤しているうちに新橋に到着した。電車の中でもがっつり朝飯食べたばかり(10時半過ぎ)だというのに、まだ時間あるからとラーメンを胃袋に(これが12時過ぎ)。多少げっぷりしながら初の「ゆりかもめ」へ。【ディファ有明】には「りんかい線」で行ったことがある。ずっとそれを「ゆりかもめ」で行ったとばかり思い込んでいた…恥ずかしい大人…。
 会場に到着すると沢山の花が入り口に。意味もなく緊張した…初ディファ…萎縮した…どうさ、この小心者っぷり。
 満員御礼を期待させる人列に加わって入場すると、すぐに物品販売ブースがあった。「限定300部で直筆サイン入りパンフレットポスター付きがあるよ」の声に引かれていそいそと購入。キッズコーナーがあったり全日さんのチケット販売があったり、飲食コーナーもあったり…と初ディファバレバレの阿呆面できょときょとしながら会場内へ進む。席は…花道の真横!これも初!花道がこちらということは正面は真反対…特に大会場の大きな大会では正面にマスコミさんが集まるから余りこちらは向いてくれない…その上2列目…でもまぁ、花道真横だし、いいか…と落ち着く前にトイレへ。そこで張り紙を見た。手書きをコピーしたもので、内容は、


お客様へ
本日は、沢山ある団体の中から健介オフィスを選んで頂き、
チケットをお買い上げ頂けた事に心より感謝いたします。
日々、皆様が一生懸命に働いて稼いだお金で今日の大会のチケットを買って下さった事を心して、
皆様に少しでも「来て良かった」と思って頂けます様、勤めさせていただきます。
皆様にとって「今日が最高の良い日」であります様、
本日はご来場ありがとうございました。
株式会社 健介オフィス
代表取締役 佐々木久子

 というもの。ひどく感動した…これを見れただけで「来て良かった」と思えた。紋切り型の挨拶ではなく、人間臭い言い回しに打たれた。で、佐々木久子って誰…ちょっと考えて「北斗さんじゃん…」泣きそうになった。思わず写真撮った。他のお客もみな異口同音に「感激」していた。出ようとすると、他にも写真を撮っているファンの人もいた。トイレで泣かすなよ…。

 ところが席に戻った俺は、連れにその話をするのも忘れて「お土産」に夢中になる。本当にダメな人間だ…。ミネラルウォーター「AQUA NANO」、健介オフィス柄の紙ケースに入ったポップコーン、健介オフィスステッカー。いいなぁと思う。楽しんで観て貰う為に飲み物とちょっとつまめる食べ物を用意してくれた訳さ。あくまで楽しく観て貰うのが主眼、なんだろうと思う。「お土産まで貰ってお得だった」と思わせるんじゃあなくて「楽しい大会だった」の為に。お客の方を向いている興行、サービスっていうのはこういったことだよなぁ…。

試合開始時刻が近づく。

 ちょっと不安な部分もあった。プログラム。試合数は三試合。プロレスの大会にしては極めて少ないし、まして旗揚げ興行となれば…。その他には「健介・勝彦の和太鼓」「新人紹介」「抽選会」…少ない試合数をカバーする為の興行時間水増し企画じゃあないのかという心配。チケット代とか遠くから来たのにとか、そういうことではなくて、折角の旗揚げなのにしょぼいことになったら、健介オフィスの面目が立たないんじゃあないのかなという。この旗揚げ戦はTV放送も決まっているから尚更。大丈夫かよと。
 カードも、だ。メインの「健介vs勝彦」も、二人を過小評価する訳じゃあないけれど、シングルで締めというのは地味になって尻すぼみな大会イメージにならないか…セミの「小島vs三島」も、明らかに格が違い過ぎている…上手く噛み合うのか、お情けで入団、みたいなお粗末な茶番にならないか…で、他の一枚が第一試合の「お笑い系」。締まるのか。旗揚げ戦として格好がつくのか…。

【そしていよいよ、大会開始】


 代表取締役・北斗晶がリング上で旗揚げ挨拶。こちらからは後姿しか見えないけれど、涙声。少しは色々な経緯を知っているから、こちらもぐっと来てしまう。続いて、
「健介&勝彦 オープニング和太鼓〜TAKE THE DREAM〜」。

 花道階段を上がったスクリーン前、選手入場ゲート前に和太鼓と健介、勝彦。お馴染み「TAKE THE DREAM」に乗せて力強い和太鼓が披露される。浮ついた旗揚げセレモニーよりも、爽快でいい。若干、何故健介と勝彦で和太鼓なのかという疑問は残るものの、しっかりとしたショーとして成立していたので、拒否感もしょぼさもイロモノ感もなかった。

第一試合
【村上和成と同じコーナーを掴め】

 スクリーンにこれまでの経緯が流れる…参戦は決定したものの「平成のテロリスト・村上和成」との対戦を拒否する菊タロー、ストーカー市川Z、DJニラ…そこで対戦カードは当日、リング上でのくじ引きで決定することとなった…。
 結局、村上和成・DJニラvs菊タロー・ストーカー市川Z、というカードに収まった。加えて、「村上が三人のネタに笑う度、ギャラ10パーセントカット」という追加ルールも発表。盛り上げ上手だ。村上にビビり倒す菊ちゃんと市川、同じコーナーにいながら常に威圧され怯え続けるニラ。村上との対戦を回避しようと尽力する菊ちゃん、市川だったが、次第に「お笑いペース」を掴み、遂には、やらかしてしまう…。最終的にはかっつりお笑いレスラー三人KOという気持ちのいい結果に終わったけれども、ふと思えば、村上ってこの手のプロレス、やったことあるっけか…。マイクを握った村上が「初めて楽しいプロレスをやりました」と述べて菊ちゃんと握手…。これは、ある種スゴイものを観た。小川直也とともに新日に殴りこんで以来のファンとしては、こんな日がくるとはまぁ、思えなかったから。それを生で間近で観ちゃったよ…。最後は菊ちゃんの余計な一言「超特急タッグ、出発進行」で、いつものテロリスト顔に戻りましたが…。
 見事に会場は暖まり、旗揚げ戦に花を添えてくれました。(続く)

※当記事は姉妹ブログ「横道プロレス」http://ameblo.jp/to...掲載予定のものを先行公開したものです。