かなり間を置きましたが、再び私の話に少々お時間を頂きたく思います。

【長州力】

私が最初にプロレスを観たのは、小学校5年生くらいだったろうと記憶しています。新日本プロレス大全盛期でした。私はというと、実は当時、それほどプロレスに興味はありませんでした。テレビといえば、特撮モノかお笑い番組に傾倒しておりました。はっきりと覚えているわけではないのですが、私の地方では夕方に「WORLD PRO-WRESTLING」(新日本さんの番組)が放送されていたようで、私は剣道などを習っておりましたので、なかなか観る機会にも恵まれておりませんでした。それでも周囲でも話題になり漫画雑誌でも取り上げられることが多かった為、時間が空いていれば何とはなしに観ていたのも事実です。そこで私は、生涯初の贔屓レスラー【長州力】を観たのでした。
【長州力】と言えば件の「かませ犬発言」が有名で、その事件によりお笑い芸人「くりぃむしちゅー・有田」さんの人生が大きく変わったというエピソードもありますが、私は失礼ながら、全く知りませんでした。当時の私はまだ、プロレスを「点」でしか観ていなかったのでしょうし、何よりも毎週観ていたわけでもないので当然ではあります。夕方のテレビで、「髪の長い女みたいな(子供だったので髪が長ければなんでも女)プロレスラー」が入場して来たのを観ました。その変な髪形のレスラーはヒールというわけでもなく、かといって正規軍でもなく、ただ奔放に、けれども不器用に暴れていました。【長州力】でした。その放送はこれといった大きな試合ではなかったようですが、以来、私は【長州力】ファンになりました。
既に【アントニオ猪木】がスター・カリスマたる地位を確固たるものとしていました(と感じておりました)。それゆえだったのかもしれません。既にスターである彼に、古参のファンとともに後追いで追いすがることへの気恥ずかしさがあったのかもしれません。スターへの反発もあったかもしれません。そのスターへ臆することなく立ち向かう小柄なレスラーに、だから惹かれたのだと思います。多分に少数派好みな自身の性格もありますが(参考までにその当時、好きだったお笑い芸人さんは【象さんのポット】でした。【ポップコーン】でも【ツービート】でも【欽ちゃん】でもなければ【ドリフ】でもないという…。次点は【怪物ランド】です)。とにかく格好いい…それだけが全てで、以後、プロレス番組を目にする機会がある時は必ず、【長州力】を探したものです。友人らと「どのレスラーが好き」談義になると必ず【長州力】の名を挙げたものです。

けれども、そこからプロレスファン人生が始まるかと思いきや、です。私はころっと特撮オタクへと変貌し、中学時代はひたすら映画を撮ろうと奔走する日々を送るのです。結局、映画は撮れず、高校に上がるころには舞台芝居や音楽へと傾倒していきました。大学時代も音楽に力を注ぎ、観るものといえば、やはり特撮モノが中心という生活でした。プロレスは、放送時間に手が空いていたら観る程度のものでした。
そんな私をプロレスに引き戻したのが、再び登場の【長州力】なのです。
大学を出る頃には、実は格闘技に関心を持っていかれていました。K1の前身「格闘技オリンピック」のビデオや深夜に放送された「第1回K1グランプリ」を録画したものを擦り切れるほど観ました。シカティックに燃えてました。しばらくライトなK1ファンだったりライトなボクシングファンだったりという状態でした。そこに【長州引退】の報が入りました。正直、まだ現役だったことが不思議でした。懐かしさにつられて、何となく観たのです。観てしまったのです。余りの格好よさに震えました。それが引退試合だということに歯がゆさを感じました。それから必死になって【長州力】ビデオを買い求めました。とはいえ経済力が脆弱だった為、基本的には中古モノで、その上そんなには買えなかったのですが。それ以降、新日さんの「WORLD PRO-WRESTLING」は欠かさず観るようになりました。ハマるという奴です。G1で中西が優勝したりカシンが暴走したり、ジュニアスターズがリングを席巻したり、黒ライガーさんが1.4東京ドームで金本さんを秒殺したり。ビデオに録画しては次週まで何度も観て、一向に飽きませんでした。
という流れなので、実際のところ、新日黄金期を逃してます。多分、【長州力】の一番いい時代も逃してます。残念な話です…。コアなファンの方のお話にはなかなかついてもいけません…悲しい話です…。

(続く…)