2012年が始まりました。私も1月はいろいろなお客様に新年のご挨拶にうかがいましたが、正直厳しいお話が多かったと思います。止まらない円高不況、電気料金の値上げ、税金の値上げ、石油の高騰など楽観視できない状況が続いています。

日本のように資源もない小さい国は今後不幸になって行くのでしょうか?今年始めの平電機新聞では小さいけど幸福な国のデンマークについて書いてみたいと思います。

2006年の英国レスター大学の調査では幸福な国ベスト10の第1位がデンマークでした。日本は90位、アメリカは23位、イギリスは41位、中国は82位でした。2006年以降の調査でもデンマークは上位に入っています。先進国や経済発展の目覚ましい新興国より幸福度が高い秘密はなんなのでしょうか?



デンマークは九州と同じくらいの面積に約547万人が暮らしています。四国くらいの人口しか住んでいません。労働人口が多い中国やインドと違い小さな国の少ない人口で幸福にくらしているのです。

秘密の1つは手厚い社会福祉制度にありそうです。人間だれしも不安が多いと不幸と感じます。日本では年金問題がニュースでよく流れます。将来年金はもらえるのか?何歳からもらえるのか?老後の不安は絶えません。また健康の不安もあります。人間だれしも病気や怪我をします。日本の医療制度は優秀と有名ですが、年々個人負担が増える傾向にあります。将来はどうなるのでしょうか?

デンマークの医療費は歯科や美容整形や薬代以外は無料だそうです。どんな大きな手術でも、どんな長い入院でも無料。しかも高齢者の介護費用も無料です。介護が必要な高齢者が介護付き施設で生活する場合は、年金の25%までを払えば良いと法律できめられているそうです。それ以上の費用は国が負担してくれます。年金だけで十分生活できるのです。



高齢者向けだけの社会福祉制度ではありません。現役世代にも手厚い制度があります。日本では一定期間働いた後に離職した場合、失業保険が給付されますが日数は最大でも330日と一年以内です。もらえる額も失業前の給料の50〜80%です。デンマークでは一定期間働いた人の失業保険は給料の90%が保障され、しかも4年間もらえます。

そんなに失業手当をもらえるなら働かいない人が増えるのでは?と言った疑問がわくかと思いますが、その考えが間違えだと気付かされるのが教育制度です。デンマークでは小中高はもちろん大学や専門学校まで無料です。大学進学率は50%と低いのですが、大学に行かない人たちは専門学校へ行きます。無料の件以外は日本と同じじゃないか?と思われた方もいると思いますが、違う点は資格制度です。

デンマークではほとんどの職業が細分化された資格制度によって分けられています。農業や塗装工や店員や銀行員などそれこそ多岐にわたっています。資格をとるために学校へ行くと言った意識付をしていますので自分が選んだ職業にはプライドがあります。大学も日本のようにとりあえず行くと言った感覚よりは目的があるために行きます。入試などはありませんが、卒業するには国家試験を合格しないと卒業できません。

この教育制度によって、「教育を無料で受けさせてくれた社会に少しでも貢献したい」と言ったプロ意識が芽生えるそうです。

また社会人になっても勉強を続けられる「イブニングスクール」と言った制度が充実していて、国をあげて国民の教育レベルを上げる取組をしています。たとえば日本語を勉強したい人が一つの町に12人を超えたら、その町は日本語の先生を探してこなければならないと法律で決まっているそうです。

社会福祉と教育に力を入れているデンマークですが、もちろん財源が必要となります。それは税金です。財務省の「OECD諸国の租税負担」によるとデンマークの税金は世界1位の69%でした。日本は28位の24.6%ですからまだまだ税率が低いことになります。しかし、日本ではほとんどの国民が税金を払っている割には恩恵が少ないと感じているから不満があるのです。デンマークでは税金が高くても恩恵が多いので幸福と感じるのです。

今の不況は中小企業の努力だけではどうしようもない事が多々あります。黙っていると消費税や電気料金は上がります。その割には年金がもらえる年が年々先延ばしになったり、医療負担が増えてきています。我々日本人が幸福になりたいのであれば政治にもっと関心をしめし世の中を変える努力をしなければとデンマークの事を調べてみて思いました。